毛髪・爪でみられる症状
毛髪・爪でみられる症状
円形脱毛症では丸く部分的に毛が抜け落ちて脱毛斑ができる症状がみられます。自然に治る場合もありますが、良くなったり悪くなったりを繰り返すことや、短期間で頭部全体の脱毛が起きるような重症例もあり、難治な場合には治癒まで数年かかることもあります。
円形脱毛症は、何らかの誘因により毛包での正常な免疫機能が失われてしまう自己免疫疾患のひとつと考えられています。
治療は、当院ではステロイドの外用治療や局所注射を中心とした治療を行なっています。(※紫外線療法、局所免疫療法、内服治療は現在当院では行なっておりません)
また、円形脱毛症の誘因として甲状腺機能や亜鉛欠乏症、膠原病、感染症といった皮膚以外の疾患が影響している場合があり、血液検査でスクリーニング検査を行うことも可能です。
おでこの生え際や頭頂部を中心に薄毛がみられ、早い人では20代から始まり、徐々に進行して40代以降に症状が完成します。主に男性ホルモンの影響で毛の生えかわりが早くなり、毛包が縮小して毛髪が細く短くなり、脱毛します。
女性では更年期以降に見られることが多く、頭頂部の広い範囲にかけて薄毛が進行します。
AGAの治療は男性、女性ともに現在保険適応のある治療がないため、自費診療での内服や外用薬の治療を行なっております(詳しくは自費診療>毛髪の悩み・AGAのページをご覧ください)。
爪は指先を保護して守る役割の他に、手指の繊細な感覚や足のバランス感覚に関わる重要な皮膚の付属器です。
爪は、爪の根元にある爪母と呼ばれる部分で作られ、その先にある爪床という部分を土台にして前へ伸び進みます。この2箇所が健康な爪が生えるために重要な機能を担っています。
爪母や爪床の部位に障害が起きると、爪の変形や変色などの異常が生じます。
爪の変形の原因は、爪水虫などの感染症、巻き爪などの機械的刺激、その他にも皮膚疾患(乾癬、扁平苔癬など)、爪や爪周囲のできもの、栄養障害など、様々な要因があります。
経過が長い場合には健康な爪が生えてこなくなることがあり、整容面だけでなく手足の感覚にも影響を及ぼす場合があるため、早めの治療や正しい爪のケアを行うことが重要です。
手足の爪の表面が点状に白〜黄色に濁ったり、爪の先の白い部分が後へ伸びるように混濁が広がる変化がみられることが特徴で、爪の下の角質「つめあか」が増えていることが多いです。爪白癬は重症になると爪全体が混濁して分厚くなり、爪表面がボロボロになったり爪の大部分が剥がれてしまうことがあります。
爪の混濁や剥離には水虫以外にもケガや靴での長年の刺激など多くの誘因があるため、診断は爪の部分から角質を採って顕微鏡検査を行います。
治療は症状によって塗り薬または内服薬で行います。爪の生え変わりには時間がかかるため、完治には治療を中断せず継続することが大切です。
爪の両端が角に内側へ彎曲した状態です。負担がかかりやすい足の親指の爪でみられることが多く、サイズの合わない靴を履くといったことも巻き爪の原因になります。
また、加齢変化によって爪を支えている指の骨で骨棘という骨の変形が起こることで、爪が丸く曲がってしまうこともあります。
巻き爪の治療は保険適応の治療が現在ないため、彎曲した爪に矯正器具をつける自費診療を行います。矯正治療に関しては、爪の厚さや大きさ、巻き爪の程度、その他の爪の病気が合併していないかなど、治療が行えるか診察で確認してから開始しています。
巻き爪が進行したり、爪を切る時に深爪にしたりすることで、爪が指の肉に食い込んでしまった状態です。歩く時に痛みが出たり、放置すると爪と肉との間で傷ができて赤くじくじくした皮膚の盛り上がり(肉芽:にくげ)ができて、さらに爪が陥入して悪循環を引き起こすことがあります。
陥入爪の治療は爪による皮膚の圧迫を解除してあげることが大切です。爪や皮膚の状態、肉芽の有無によって適した処置を行います。また、陥入爪は深爪をきっかけに症状が出ることが多いため、爪の正しいケア爪が十分に伸びるまで根気よく治療を続けることが重要です。